かまたまきぶん

学生ライターかまたまのブログ。きぶんの浮き沈みが激しいです。

Twitterの「いいね」は「付箋」、インスタは「判子」

こんばんは、かまたまです。

 

昔からTwitterばかり使ってきたのでインスタを始めたのはつい数カ月前なんですが、Twitterとは色んな意味で違う場所だなあと常々思います。

一番決定的なのは、「いいね」の意味の違い。

今でこそTwitterもインスタもあのハートマークで「いいね」をつけるけど、それまでのTwitterはハートじゃなくて星マークで、「いいね」じゃなくて「お気に入り」でしたよね。

調べると星マークがハートマークになり、「お気に入り」から「いいね」になったのは2015年の11月。

もうそんなに経ったのか……。

私は未だに「いいね」じゃなくて「ふぁぼ」と呼んでしまいがち。

単純に昔の呼称に愛着があるのもあるけど、Twitterの古参ユーザーの中には「いいね」に違和感を覚えている人たちもたくさんいるんだろうな、と思う。

 

Twitterの「ふぁぼ」(あえてそう呼びます)とインスタの「いいね」の決定的な違いは、あとで見返すか否か、ということ。

Twitterでは自分がふぁぼった(いいねを押した)ものが一覧で見返せるようになっているけれど、インスタにはその機能がない。(今のとこ)

Twitterのふぁぼ(いいね)はブックマークや付箋みたいなもので、あとで見返すことを前提に押しているんですよね。少なくとも古参ユーザーは大体そうじゃないかな。

だから、自分の気に入ったものや気になるものしかふぁぼらない。

私はふぁぼ欄を頻繁に見返しては「ふふっ」てなるのが好きな陰キャオタクだから、ふぁぼはけっこう厳選する。

逆に、インスタのいいねはあとで見返すこともないので、わりと無作為に押す。

なんならタイムラインの投稿全部ダブルタップして押す。

ポンポンポン、って、まるで判子みたいに。

次々と提出される書類にざっと目を通して、ポンと判子押して返却。テストの採点みたい。

 

ここなんですよね、Twitterとインスタの違いって。

付箋と判子。

Twitterのふぁぼは自分のためだけど、インスタのいいねは相手のため。

 

ただ、Twitterの場合はふぁぼってあとで見返せるように、っていう明確な意味があるけど、インスタのいいねには一体なんの意味があるのかな? と思って。

で、考えた結果多分それは、「許容」なんじゃないかなと。

平たく言えば、「あなたの幸福自慢を私は不愉快に思うことなく受け入れていますよ」というサイン。

それがインスタの「いいね」の役割なんじゃないかな、と思う。

 

そもそも日本人は、幸福自慢をすることを心の底では恐れているはず。

なぜなら、他人の幸せを祝福すると同時に、それを妬む気持ちが表裏一体で存在しているのを経験的に知っているはずだから。

表には出さずとも、心の隅に追いやった暗い感情の存在は誰だって自覚しているはずじゃないかと、私は思う。

「人の不幸は蜜の味」という言葉さえあるくらいだし、裏返せば人の幸福になんて誰も興味ないんじゃない?

 

とにかく、自分の充実度や幸福を知らせるとき、そこには周囲からの「許し」が必要なんじゃないかなと思う。

「いいね」を貰うことは、楽しそうな写真や幸せなエピソードが周囲に受け入れられ、純粋に祝福されているという「証拠」になる。

まあ、実際の感情はどうあれ、とりあえずそういう体裁ができる。


しかも、Twitterと違って「いいね」をつける対象を選り好みする意味もないんだから、惜しみなく「いいね」を押してまわることができる。

さらに、「たくさんの人にいいねを押して許しているのだから、自分の幸福自慢もまた許されて然るべき」みたいな謎の安心感も得られる。

こうやってインスタは「誰もが安心して幸福自慢できる場所」として確立したのではないか、と思うわけです。

 

現代人の承認欲求に見事に応えすぎでしょこのシステム。こわ。

 

インスタのいいねがTwitterと同じく一覧で見返せるようになるなんてことは、多分この先永遠になさそう。

だって他人の幸せ投稿を延々と見返して何が楽しいんだ。鬱になるわ。

 

別にインスタをディスってるわけではまったくなくて、むしろそういう場所があるほうが精神的にも楽なんじゃないかなと思う。

Twitterで幸福自慢なんてしようものならどこからクソリプが飛んでくるか分かったもんじゃないしね。

 

 ただまあ、インスタの安心感もいわばそういう「形式」に過ぎないってことを考えると、ちょっとうすら寒くもある。

毎日毎日無心で「いいね」という免罪符を配ってるなんてルターも真っ青でしょ。

 

とはいえ私も承認欲求お化けなので、これからもインスタは利用していこうと思います。